Quantcast
Channel: 大田区産業振興協会 -ニュース-
Viewing all articles
Browse latest Browse all 313

株式会社高橋徳治商店東松島工場落成記念式典

$
0
0
株式会社高橋徳治商店東松島工場落成記念式典 公益財団法人大田区産業振興協会 副理事長 山田伸顯  未だ手樽から野蒜までの5駅が不通となっている仙石線に乗り、途中の松島海岸駅での集合となりました。当日の工場落成式典に出席する来賓が、そこからバスで新工場の見学に向かいました。  高橋徳治商店は、明治38年(1905年)に創業以来魚介類・加工品の製造販売業を営んできた100年企業です。本拠地であった石巻で水産物加工工場を拡大し、食中毒などの危機を乗り越え順調に業績を伸ばしてきました。  2011年3月11日の大震災により、本社を含め3か所の工場が全壊し、幸いスタッフは無事でしたが全員の解雇をせざるを得ませんでした。全国から取引先である生協を中心とした職員・社員が駆けつけ、ボランティアによるヘドロの除去など多くの支援を受けました。  高橋社長は悩んだ末、再起を図る決意をし、東松島市の津波の危険が少ない用地に新工場を再建することとなりました。東松島市には大田区は震災直後より区民ボランティアを募り、がれき処理などの支援に持続的に取り組んできた縁があります。工場再生には、復興支援として提供されるグループ化補助金を受けて当たることになり、設備も従来のエネルギーを多消費するものから新しい機構に切り替えたいと考えていました。  たまたま大田区産業プラザで開催された展示会に出向いた際、大田区産業振興協会の市場開拓員と知り合うことができました。担当者が化粧品製造設備で実績がある株式会社三信精機を紹介し、高橋社長の要望を受け設備の改善提案を行いました。油で揚げた製品の油を除去して急速に冷凍化する工程で、電気を使わずにボイラーのエネルギーで蒸気を噴射する構造が採用されることとなりました。今回はこの工程が組み込まれた設備のラインが導入されました。  マイナス20度で保管する巨大な冷凍庫が設置されるなど、見事な工場が完成しました。太陽光パネルや風力発電も取り入れられ、これからの水産業には環境への配慮が不可欠だと考える高橋社長の心意気を感じることができます。ちなみに高橋徳治商店は、極力添加物を使用しない製法で手間を掛けながら水産加工に取り組んでいます。  式典はホテル松島大観荘で盛大に開催されました。従業員が製作した震災直後からの画像スライドを交え、30名以上の来賓からの祝辞やスピーチと支援団体である生活クラブからの寸劇、社員の替え歌や踊りなど様々な余興も披露されました。  こうした震災復興の一翼として、大田区の中小企業が持つ産業技術を提供することで貢献できたことは大いに誇るべきことです。また、大田区の企業にとっても、水産業との連携により新しい加工技術にチャレンジしたことは、これからの技術革新と経営発展にとっても意義があります。  日本の復興に寄与するために、地域の力を発揮することの大切さを感じさせた具体的取り組みとなりました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 313

Trending Articles